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Channel:  Egi Shun,s BLOG~歴史教科書から探る史実探訪
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平安京を現在の京都市に当てはめてみた

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ちょうど蔵書(高校の副教材ですがw)のなかにいい図があったので、スキャンして貼ります。


いわゆる『』という都市は正方形に近い方丈の城塞都市っぽい造りをしていまして、塀に囲まれ、入るには警備の厳しい堅牢で壮大な門をくぐらないといけません。

南にある正門が、有名な羅城門(羅生門)です。
(羅生門は当て字)

平安京は、南北に5.2km、東西に4.5kmくらいの規模でして、現在の京都市の市街とは微妙に位置が違います。

有名な寺社や景勝地はほとんど平安京の外にあります。京の内は殺伐としてたのでしょう。のちの京都の繁華街、河原町・祇園などは、東山の寺社の門前町として発展しました。


うえに引用した図では、詳細が分かりにくいのでズームして拡大します。



羅城門(羅生門・らじょうもん/らしょうもん)
現在、建物は残っておらず碑があるだけです。芥川龍之介の小説、黒澤明の映画、で有名なあの羅生門ですが、元ネタは今昔物語にあります。

都大路(朱雀大路・すざくおおじ)
羅城門からまっすぐ北へ朱雀門まで、平安京のメインストリートがドーンと通っていたはずなのですが、現在はJR山陰本線の線路です。機関庫や鉄道車両基地や中央卸売市場もあります。

東寺(とうじ)
もちろん当初は対角の位置に西寺も建立されました。右京・左京の鎮護寺です。羅城門の右と左にでっかい寺があり高い塔があったのです。でも西寺は早くに廃れてしまいました。

朱雀門(すざくもん)
平安京の中央省庁と天皇の御座所である内裏を含む大内裏の門です。現在は石碑や碑文しか残っていません。現在のJR二条駅の周辺にいろいろと案内板もあったはずです。

大内裏(だいだいり)
前述の通り、平安京の中央省庁と天皇の御座所です。しかし、応仁の乱(1467~1477年)で京の都は灰燼と化し、大内裏も焼け落ち、大内裏の跡地は内野と呼ばれる荒れ地になってしまいました。

現在の京都御所
天皇の御座所が無いというのも困るわけでして、もともとは里内裏(さとだいり・内裏が火災で焼失した場合などに設けられた臨時の内裏)の一つであった土御門東洞院殿の地を内裏としたものです。さらに遡ると藤原道長の豪壮な邸宅(土御門殿<つちみかどどの>)だったところです。

平安時代の大内裏がどんなものだったか?気になりますねえ。またスキャンして貼ります。



八省院(はっしょういん)
朝堂院(ちょうどういん)ともいいます。大内裏の正庁にあたりまして、即位の礼や大嘗会(だいじょうえ)などの大礼(とても重要な皇室の儀式)が行われたところです。

大極殿(だいごくでん)
八省院(朝堂院)の正殿が大極殿です。殿内に天皇の御座である高御座(たかみくら)が据えられます。現在の千本丸太町交差点の付近です。碑文が建っていたはず。

豊楽院(ぶらくいん)は、天皇主催の饗宴の開催場所です(節会・賜宵・射礼・競馬・相撲など)。太政官神祇官は役所です。

平安神宮
平安遷都1100年のとき(1894年)に合わせて、これらの一部を再建したものです。もともとの場所である千本丸太町に立てる予定が用地買収がうまくいかずに断念、まったく違う場所に。さらに資金不足で、5/8スケールでの再現となりました。

有難味がありませんorz

では、現在の地図に大内裏の位置を当てはめてみましょう。この図は自作です。史料的価値はまったくありません。無断引用してもいいですけど、捏造史料扱いになりますよw





当時を偲ばせるような遺構は残っていません。ふつうの市街地で、ふつうに人が生活しています。地名は少し残ってます。

のちに、豊臣秀吉がこの平安京大内裏の跡地になんとあの!!聚楽第(じゅらくだい)を造営しました。造営後、わずか数年で秀吉自身が徹底的に破却しちゃいましたけど。

徳川家康の二条城の立地とも因果関係があるかもしれませんが、よく分かりません。



平安時代の内裏がどのようなものだったか気になりますよね。大内裏で引用した図に『下段に拡大図』て書いてありますから。またスキャンして貼ります。



応仁の乱以前の御所はこれです。『源氏物語』や『平家物語』に思いをはせるときの御所はこちらになります。図のうえのほうがいわゆる‘後宮’です。

弘徽殿とか麗景殿とか藤壺(飛香舎)とか梅壺(凝華舎)とか桐壺(淑景舎)とか。


現在の京都御所は、応仁の乱以降、明治維新まで天皇のお住まいでした。春秋の一般公開以外の時期は内部に入ることはできません。くわしくは宮内庁のHPでご確認ください ↓
http://www.kunaicho.go.jp/event/kyotogosho/kyotogosho.html




続きの記事 ↓
【平城京を現在の奈良市にあてはめてみた】 
http://ameblo.jp/egiihson/entry-11802161868.html
      

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